プライマリ・ケアにおけるCOPD増悪に対する経口ステロイドは有効か?
2023年 10月 24日
予定していたサンプルサイズは達成できませんでしたが、プライマリ・ケア・セッティングでプレドニゾロンがプラセボより有効という結論にはなりませんでした。急性期病院に入院になるCOPD増悪は、相対的に重度のことが多いという意味かもしれません。
経口ステロイドで治療されたCOPD増悪のプライマリ・ケア患者をみたフランスの観察研究においても、3か月以内に新たな増悪を起こすリスクが有意に増加することが示されています(Exercer La Revue Francophone de Médecine Generale 2010; 21: 24S–25S)。
「COPD増悪」と一言で書いても、非常にヘテロな集団であることから、ステロイドの適用には注意が必要ですね。
- 概要
■プライマリ・ケアにおけるCOPD増悪の外来治療において、プレドニゾロンとプラセボを比較することを目的とした。
■フランスにおいて、多施設共同並行二重盲検ランダム化比較試験を実施した。40歳以上で、累積喫煙が10pack-years以上であるCOPD増悪が確実またはその可能性が高いと診断された患者を対象とし、経口プレドニゾロン(40mg)またはプラセボを5日間投与した。
■主要評価項目は8週時点の治療失敗とし、予定外救急受診、入院、死亡のうち少なくとも1つの発生に基づく複合基準として定義された。計画されたサンプルサイズは各群202例であった。
■2015年2月から2017年5月までに175例が組み入れられた(計画サンプルの43%)。全死因による8週治療失敗率は、プレドニゾロン群42.0%、プラセボ群34.5%であった(相対リスク1.22、95%信頼区間0.87-1.69、p=0.25)。呼吸器関連の8週治療失敗率はプレドニゾロン群で27.6%、プラセボ群で13.6%であった(相対リスク2.00、95%信頼区間1.15-3.57、p=0.015)。
by otowelt
| 2023-10-24 00:45
| 気管支喘息・COPD