ABPA診断における血清IgGおよびIgE
2023年 11月 05日
ABPAの診断におけるIgGの感度はIgEよりも高く、特異度はIgEの方が高いという結果でした。日本アレルギー学会/日本呼吸器学会による診断基準は表のようになっています。
Liu A, et al. Comparison of diagnostic efficiency of detecting IgG and IgE with immunoassay method in diagnosing ABPA: a meta-analysis. BMC Pulm Med . 2023 Oct 5;23(1):374.
■これまでABPAの診断基準の大部分は、アスペルギルス特異的IgEを重要な項目とし、特異的IgGを診断の補助的な方法とみなしてきた。しかし、これらのABPA診断能に関する決定的な研究はない。
■ABPAの診断におけるIgEとIgGの検出結果を報告する研究を同定するべくシステマティックレビューを行った。QUADAS-2ツールを用いて対象研究を評価し、HSROCモデルを適用してプール感度および特異度を算出した。
■本研究には11の研究が含まれた(被験者1127人、IgEおよびIgGについては215件)。IgEとIgGに関するDeeksの検定は0.10と0.19であった。
■IgEのプール感度および特異度は0.83(95%CI:0.77、0.90)および0.89(0.83、0.94)であり、IgGのプール感度および特異度は0.93(0.87、0.97)および0.73(0.62、0.82)であり、P値は0.001未満であった。IgEのPLRは7.80(5.03,12.10)、NLRは0.19(0.13,0.27)、IgGのPLRは3.45(2.40,4.96)、NLRは0.09(0.05,0.17)であった。診断オッズ比と診断スコアの合計は、それぞれIgEで41.49(26.74,64.36)と3.73(3.29,4.16)、IgGで38.42(19.23,76.79)と3.65(2.96,4.34)であった。
by otowelt
| 2023-11-05 00:10
| 呼吸器その他