肺移植時に抗線維化薬を止めるべきか?

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創傷治癒遅延という副作用の観点から、肺移植の周術期にニンテダニブをどうするかという命題があります。ピルフェニドンと混合コホートですが、フランスから参考になる研究結果が発表されました。内服していたほうがむしろ良好なアウトカムのようです。

これは、その他の外科的治療においても同様かもしれません。



Moncomble E, et al. Effect of antifibrotic agents on postoperative complications after lung transplantation for idiopathic pulmonary fibrosis. Respirology. 2023 Oct 3. doi: 10.1111/resp.14605.

  • 概要
■抗線維化薬はIPFの標準治療であるが、肺移植を受ける患者における薬剤の安全性について懸念が生じている。

■2011年から2018年の間に肺移植を受けたフランスのIPF患者を対象に、多施設共同後ろ向き観察研究を行い、周術期に抗線維化薬を維持することが気管支吻合部トラブル、創傷治癒遅延、出血性合併症の増加につながるかどうかを検討した。術後合併症の発生率と患者の生存率を抗線維化薬曝露量に応じて比較した。

■研究期間中IPFに対して肺移植を受けた205例のうち、58例(28%)が移植前4週間以内に抗線維化薬を投与されていた(ピルフェニドン37例[18.0%]、ニンテダニブ21例[10.2%])。移植前の抗線維化薬治療期間の中央値は13.8(5.6-24)か月であった。抗線維化薬群と対照群では、気道合併症、出血合併症、皮膚治癒合併症に有意差はなかった(それぞれp=0.91、p=0.12、p=0.70)。肺移植後グラフト不全は抗線維化薬群で対照群より頻度が低く(26% vs 43%、p=0.02)、90日死亡率は低かった(7% vs 18%、p=0.046)。






by otowelt | 2023-10-29 00:52 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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