BACESスコアの外的妥当性:カナダのコホート
2023年 10月 13日
最適なcalibration curveではないものの、概ね妥当とも言える結果でした。赤沈が使いにくいのですが・・・。CRPは1で代用していますが、識別能としては0.3くらいでよいのではという見解も。
Yan M, et al. External validation of the BACES Score in Canadian patients with nontuberculous mycobacterial pulmonary disease. CHEST, October 10, 2023DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2023.10.006
- 概要
■肺NTM症の臨床経過は様々であり、予測が困難である。最近、肺NTM症患者の全死亡を予測するツールとしてBACESスコアが開発された。このスコアは5つの患者の特徴(BMI、年齢、空洞、赤沈、性別)に基づいて計算され、スコアが高いほど予後が悪いことを示す。BACESスコアは韓国の患者コホートで検証されているが、他の環境や民族集団ではまだ検証されていない。カナダの肺NTM症患者コホートにおいて、BACES死亡率スコアはどの程度有効かを調べた。
■単施設での後ろ向き診療録レビューを実施した。2003年7月から2021年6月までに受診した患者のうち、ガイドラインに基づく肺NTM症診断基準を満たす患者を対象とし、BACESスコアのいずれかの要素が欠落していた場合は除外した。モデルの識別能を評価するため、リスク群間でKaplan-Meier曲線を比較し、HarrellのC-indexを算出した。
■合計435人の患者が含まれ、追跡期間中央値は5.8年であった。年齢中央値は64歳で、74%が女性であった。BACESスコアに基づいて、患者は低リスク、中リスク、高リスクの3つのリスク群に分類された。生存曲線はリスク群を明確に分けた。HarrellのC-indexは我々のコホートでは0.733であり、中等度から良好な識別能を示したが、これは前コホートで報告された値0.812より低かった。calibration curveでは、BACESモデルが死亡率を過小予測する傾向を示した。
by otowelt
| 2023-10-13 01:58
| 抗酸菌感染症