乳び胸77例の臨床的検討

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乳び胸に関するまとまった報告は珍しいですね。平均的な呼吸器内科医は、人生でおそらく5例くらい出合うと思っています。たぶん。




Porcel JM, et al. Clinical characteristics of chylothorax: results from the International Collaborative Effusion database. ERJ Open Res . 2023 Oct 16;9(5):00091-2023.

  • 概要
■乳び胸はまれな病態であり、病因、管理、転帰に関するデータは限られている。本研究の目的は、病態をより明確にすることである。

■2009年から2021年にかけてヨーロッパ、アメリカ、南アフリカの12施設で乳び胸と診断された成人患者の診療記録を後ろ向きに検討した。記述統計および推測統計を実施した。

■77例(年齢中央値69歳、男女比3:2)が対象となった。亜急性の呼吸困難が最も典型的な症状であった(66%)。

■乳び胸の最も一般的な原因は悪性腫瘍(68.8%)で、リンパ腫がその62%を占めた。その他の病因は外傷(13%)、炎症性/その他疾患(11.7%)、特発性(6.5%)であった。

■初回胸腔穿刺時、胸水は73%で乳白色、89%で滲出性、88%でトリグリセリド濃度が100mg/dL以上だった。リンパ管造影/リンパシンチグラフィはほとんど行われず(3%)、胸水中のカイロミクロンの存在は確認されなかった。患者の67%が胸膜のインターベンション治療を必要とした。食事療法はほとんど行われなかった(36%)。胸管結紮術や塞栓術を受けた患者はいなかった。感染症(18%)、悪性血栓症(16%)を合併している患者もいた。

■1年死亡率は47%であった。胸水蛋白>3.5mg/dL(部分分布ハザード比4.346)またはLDH<500U/L(部分分布ハザード比10.21)は胸水貯留消失の可能性を増加させた。胸水蛋白3.5mg/dL以下(ハザード比4.047)、両側胸水(ハザード比2.749)、呼吸器疾患の既往(ハザード比2.428)は生存にマイナスの影響を与えた。





by otowelt | 2023-11-23 00:32 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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