慢性肺アスペルギルス症の診断にBALF中アスペルギルスPCRは有効か?
2023年 10月 27日
CPAの診断については、8月にパブリッシュされたScharmannらの総説が非常によくまとまっていると思います(Diagnostics (Basel) . 2023 Aug 21;13(16):2718.)。
- 概要
■慢性肺アスペルギルス症(CPA)の診断は、臨床、放射線、微生物学的基準の組み合わせによって確立される。さまざまな微生物学的基準のうち、アスペルギルス特異IgGの血清学的陽性が診断の基礎となる。あるいは、アスペルギルス抗原、生検などの病理組織学的証明、直接検鏡による菌糸証明など、他の微生物学的証拠が求められることもある。しかし、BALFにおけるガラクトマンナン抗原と拡散増幅検査の役割は不透明である。
■本研究では、CPAが疑われる患者210例を登録した。参加者のうち、88例がCPAの基準を満たしたが、122例は別の診断であった。
■AsperGenius® PCRの感度は52.27(36.69-67.54)%、特異度は33.78(23.19-45.72)%だった。自社製PCRの感度は36.36(22.41-52.23)%、特異度は39.19(28.04-51.23)%であった。
■BALFにおけるガラクトマンナン抗原(>1.0)の感度と特異度はそれぞれ46.55%(33.34-60.13)、64.08%(54.03-73.3)で、血清ガラクトマンナン抗原(>1.0)の感度と特異度はそれぞれ29.82%(22.05-37.6)、86.84%(81.1-92.59)であった。
■CPA診断におけるBALF-ガラクトマンナンと血清ガラクトマンナンの最適カットオフ値は、それぞれ0.69(感度:64%、特異度:53%)と0.458(感度:67%、特異度:64%)であった。
by otowelt
| 2023-10-27 00:58
| 感染症全般