CCTG IND.227/KEYNOTE-483試験:進行悪性胸膜中皮腫に対するプラチナ製剤+ペメトレキセド+ペムブロリズマブ
2023年 11月 08日
悪性腫瘍の臨床試験は論文化よりもかなり早くプレスリリースが出るので、論文の新鮮味が薄いという話をよく聞きます。
OSへのインパクトからLancet掲載となっています。PD-L1ステータスにかかわらず、OS、PFS、ORRがキイトルーダ併用群で有意に改善しています。
Chu Q, et al. Pembrolizumab plus chemotherapy versus chemotherapy in untreated advanced pleural mesothelioma in Canada, Italy, and France: a phase 3, open-label, randomised controlled trial. Lancet. 2023 Nov 3:S0140-6736(23)01613-6.
- 概要
■悪性胸膜中皮腫に対するプラチナ製剤-ペメトレキセドによる化学療法が標準治療である。我々は、プラチナ製剤-ペメトレキセドにペムブロリズマブを追加することで、悪性胸膜中皮腫患者のOSが改善するという仮説を立てた。
■カナダ、イタリア、フランスの51施設において、非盲検国際ランダム化第3相試験を実施した。対象は18歳以上の未治療の進行悪性胸膜中皮腫患者で、ECOG-PS 0または1の患者である。
■カナダ、イタリア、フランスの51施設において、非盲検国際ランダム化第3相試験を実施した。対象は18歳以上の未治療の進行悪性胸膜中皮腫患者で、ECOG-PS 0または1の患者である。
■患者は化学療法(シスプラチン[75mg/m2] or カルボプラチン[AUC 5~6mg/mL/分]+ペメトレキセド500mg/m2を3週間ごとに最大6サイクルまで)にペムブロリズマブ200mg 3週間ごとの併用群、またはペムブロリズマブを併用しない群にランダムに割り付けられた(最長2年間)。
■プライマリエンドポイントはランダム化された全患者におけるOSで、安全性はランダム化された全患者のうち、少なくとも1回の治療を受けた患者において評価された。
■2017年1月31日から2020年9月4日の間に440人の患者が登録され、化学療法単独群(n=218)と化学療法+ペムブロリズマブ併用群(n=222)にランダムに割り付けられた。333例(76%)が男性、347例(79%)が白人、年齢中央値は71歳(IQR 66-75)であった。最終解析時(データベースロック2022年12月15日)、追跡期間中央値16.2か月(IQR 8.3-27.8)でOSはペムブロリズマブ併用群で有意に延長した(OS:ペムブロリズマブ併用群17.3か月[95%信頼区間14.4-21.3] vs 化学療法単独16.1か月[95%信頼区間13.1-18.2]、死亡ハザード比0.79;95%信頼区間0.64-0.98、両側p=0.0324)。3年全生存率は、ペムブロリズマブ併用群で25%(95%信頼区間20-33%)、化学療法単独で17%(95%信頼区間13-24%)であった。
■グレード3または4の関連有害事象は、ペムブロリズマブ併用群222例中60例(27%)、化学療法単独群211例中32例(15%)に発現した。重篤な有害事象による入院は、ペムブロリズマブ併用群222例中40例(18%)、化学療法単独群211例中12例(6%)に報告された。1つ以上の薬剤に関連したグレード5の有害事象は、ペムブロリズマブ併用群では2例、化学療法単独群では1例にみられた。
by otowelt
| 2023-11-08 00:40
| 肺癌・その他腫瘍