IPFおよび非IPF-ILDの増悪インパクト

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長い目線でみると、IPFのほうが予後が悪いことは言わずもがなですが、IPFも非IPF-ILDも一度増悪を起こすと短期中期的な臨床的なインパクトはかなり近いということが言えます。




Tsubouchi K, et al. idiopathic pulmonary fibrosis (IPF) or non-IPF idiopathic interstitial pneumonias: 5-year follow-up analysis of a prospective multi-institutional patient registry. BMJ Open Respir Res . 2023 Nov;10(1):e001864.

  • 概要
■特発性間質性肺炎(IIP)の非特発性肺線維症(non-IPF)患者を比較的多数対象とした前向きコホート研究はほとんど報告されていない。われわれは、非IPFのIIPまたはIPF患者について、現況疾患の進行と死因を評価することを目的とした。

■2013年9月から2016年4月までに日本で登録された528例のIIP患者の前向き多施設コホートのデータを解析した。IPFと非IPFのIIPsの診断は中央集学的検討に基づいて行われ、追跡調査は患者登録後最長5年間行われた。生存率と急性増悪(AE)を評価した。

■全体ではIPFが最も多く(58.0%)、分類不能IIPs(35.8%)、その他(6.2%)と続いた。非IPFのIIP群とIPF群の5年生存率はそれぞれ72.8%と53.7%で、両群とも慢性呼吸不全が主な死因であった。AEは、非IPF IIP患者(24.1%)、IPF患者(23.5%)ともに2番目に多い死因であった。AEの累積発生率は両群間で有意差はなく(p=0.36)、1年発生率は非IPF IIP患者で7.4%、IPF患者で9.0%であった。AEを経験した非IPF IIP患者およびIPF患者のそれぞれ30.2%および39.4%がAE発生後3か月以内に死亡したのに対し、それぞれ55.8%および66.7%が登録後5年以内に死亡した。





by otowelt | 2023-12-12 00:33 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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