抗Ro52抗体と間質性肺疾患
2023年 12月 20日
抗Ro52抗体は、これまで割と重要視されてこなかった抗体ですが、皮膚筋炎患者におけるILDの独立危険因子であることが示されています(Respir Med. 2020 Oct:172:106134. )。同抗体陽性例は、シェーグレン症候群(Respir Med. 2020 Mar:163:105895.)や、若年性皮膚筋炎(平均年齢9.0歳)(Ann Rheum Dis. 2019 Jul;78(7):988-995.)においてもILDのリスクを高めるとされています。
Nayebirad S, et al. Association of anti-Ro52 autoantibody with interstitial lung disease in autoimmune diseases: a systematic review and meta-analysis. BMJ Open Respir Res . 2023 Nov 29;10(1):e002076.
- 概要
■いくつかの自己抗体がILDの発症や有害な転帰と関連しているが、抗Ro52抗体とILDとの関連はあまり研究されていない。そこで本研究では、様々な自己免疫疾患における抗Ro52抗体との関連についてシステマティックレビューおよびメタアナリシスにおいて検討した。
■さまざまな自己免疫疾患におけるILD診断と抗Ro抗体ステータスを報告した観察研究を対象とした。また、特発性炎症性筋疾患(IIM)において、急速進行性ILD(RP-ILD)と抗Ro52抗体との関連を検討した。
■合計2353件の研究が同定され、その中から59件の論文が適格基準を満たした。抗Ro52/SS-A陽性は、すべての自己免疫疾患サブグループにおいてILDと関連していた:(IIM:オッズ比3.08;95%信頼区間2.18~4.35;p<0.001;I2=49%、SLE:オッズ比2.43;95%信頼区間1.02~5.79;p=0.046;I2=71%、シェーグレン症候群:オッズ比1.77;95%信頼区間1.09~2.87;p=0. 021;I2=73%、強皮症:オッズ比1.71;95%信頼区間1.04~2.83;p=0.036;I2=43%、混合性結合組織病:オッズ比3.34;95%信頼区間1.82~6.13;p<0.001;I2=0%)であった。さらに、抗Ro52陽性のIIM患者は、RP-ILDを同時に発症する可能性が高かった(オッズ比2.69;95%信頼区間1.50〜4.83;p<0.001;I2=71%)。
by otowelt
| 2023-12-20 01:14
| びまん性肺疾患