CleanUP-IPF試験事後解析:IPFに対するピルフェニドン vs ニンテダニブ
2023年 12月 04日
ピルフェニドンについては臨床研究そのものが下火になりつつあり、ほぼオフェブ一強の状態になりつつあります。CleanUP-IPF試験事後解析です。
Kim SJ, et al. Comparison of Pirfenidone and Nintedanib: Post-Hoc Analysis of the CleanUP-IPF Study. Chest. 2023 Nov 27:S0012-3692(23)05827-0.
- 概要
■抗線維化薬は、IPFにおける努力性肺活量(FVC)の低下を遅らせるのに有効である。しかし、抗線維化薬の種類がFVC低下と異なる関連があるかどうかについては、まだ結論が出ていない。
■CleanUP-IPF試験(NCT02759120)の事後解析を行った。試験登録時にピルフェニドンまたはニンテダニブの使用を報告した参加者を主要解析対象とした。ベースライン時、12か月後、24か月後の来院時にスパイロメトリーを実施した。FVCの経時的変化を調べるために、ランダム切片とランダム勾配を用いた線形混合効果モデルを用いた。年齢、性別、喫煙歴、冠動脈疾患歴、ベースラインFVCおよびDLcoを調整したCox回帰モデルを用いて、抗線維化薬の種別の生存率および非選択的呼吸器系の入院を算出した。
■CleanUP-IPFでランダム化されたIPF参加者513人のうち、407人がピルフェニドン(n=264、65%)またはニンテダニブ(n=143、35%)に割り付けられた。ピルフェニドン群ではニンテダニブ群より冠動脈疾患の既往が多かった(34.1% vs 20.3%)。ニンテダニブ投与群はピルフェニドン投与群と比較して12か月後のFVCが高かった(平均差106mL;95%信頼区間34-178)。この差は24か月目では減少した。ピルフェニドン治療群とニンテダンチブ治療群で全生存期間と非選択的な呼吸器系入院アウトカムに有意差はみられなかった。
by otowelt
| 2023-12-04 00:35
| びまん性肺疾患