肺吸虫症に関連する気胸の臨床的特徴
2024年 01月 08日
いやー、これは初めて見ましたね。トップジャーナルレベルの症例数だと思ったのですが、PLoSも好きなのでこれはこれでよいですが。右気胸が多いことは覚えておきましょう。
Song Y, et al. Risk factors and clinical features for pulmonary paragonimiasis-associated pneumothorax. PLoS Negl Trop Dis. 2023 Dec 15;17(12):e0011828.
- 概要
■食品を媒介する人獣共通感染症のひとつである肺吸虫症、Paragonimus属の感染によって引き起こされる肺の寄生虫疾患である。肺吸虫症で気胸が生じることが報告されているが、この病態の臨床的特徴およびリスク因子に関する研究はこれまで行われていない。
■当該ギャップを埋めることを目的としたこの後ろ向き研究は、全北大学校医院で実施された。2011年5月から2021年12月までに肺吸虫症と診断された全患者(19歳以上)を対象とした。診療録をレビューし、年齢、性別、バイタルサイン、基礎疾患、臨床症状、検査所見、X線所見、治療、臨床転帰に関する情報を収集した。気胸に関連するリスク因子のオッズ比を二項ロジスティック回帰モデルを用いて算出した。
■肺吸虫症と診断された連続患者179例中、気胸合併は10.6%(19/179例)であった。気胸は主に右肺に発生し(78.9%,15/19例)、肺実質病変は気胸と同側にみられることが多かった(94.7%,18/19例)。肺吸虫症に伴う気胸の15例(78.9%,15/19)は胸水を合併していた。気胸患者のほとんど(89.5%、17/19)が初期治療として胸腔ドレーンが挿入された。喘息(オッズ比8.10、95%信頼区間1.43-45.91)、胸痛(オッズ比8.15、95%信頼区間2.70-24.58)、肺内病変(オッズ比8.94、95%信頼区間1.12-71.36)が肺吸虫症に関連した気胸の独立リスク因子であった。
by otowelt
| 2024-01-08 00:02
| 呼吸器その他