JaNP-Hi試験:急性呼吸不全に対するCPAPまたはHFNC
2024年 01月 03日
永田一真先生らの報告を紹介します。何度かセミナー・教育講演などでお聞きしている内容です。
なお、II型呼吸不全に対するHFNCは基本的に安全、というかむしろPaCO2を下げる方向に作用するので(Nam KH, et al. Acute Crit Care. 2021 Aug;36(3):249-255.)、NPPVが厳しい人には積極的にHFNCを適用しています。
Nagata K, et al. Continuous positive airway pressure versus high-flow nasal cannula oxygen therapy for acute hypoxemic respiratory failure: A randomized controlled trial. Respirology. 2024 Jan;29(1):36-45.
- 概要
■われわれは、急性呼吸不全に対するCPAPまたはHFNCの有効性を比較する多施設共同非盲検並行群間ランダム化比較試験を実施し、事前に規定した挿管基準に関してリスクの低下があるかどうか、急性低酸素血症性呼吸不全の臨床アウトカムの改善があるかどうかを検討した。
■プライマイエンドポイントは、28日以内に予め規定された挿管基準を満たすまでの期間とした。
■85例がCPAP群とHFNC群にランダムに割り付けられた。CPAP群では11例(28.9%)、HFNC群では20例(42.6%)が28日以内に挿管の基準を満たした。
■HFNCと比較して、CPAPは挿管基準を満たすリスクを減少させた(ハザード比0.327;95%信頼区間0.148-0.724;p = 0.006)。
■挿管率、院内死亡率、28日死亡率、人工呼吸器無操作日数、呼吸器補助が必要な期間、呼吸器疾患による入院期間に有意な群間差はみられなかった。
by otowelt
| 2024-01-03 01:02
| 集中治療