慢性気管支炎に対する気管支レオプラスティ:2年成績

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気管支レオプラスティは、気腫肺に対するアプローチというよりも、喀痰で困っている慢性気管支炎型のCOPDに対して適用されるべき治療法です。いずれ日本でも実用化されるでしょう。

気管支サーモプラスティみたいに、採算が取れない未来だと、これもまた消えていくのかもしれませんが・・・。

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. RheOx System (Gala Therapeutics Inc., Menlo Park, CA, USA)(Valipour A, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2020 Sep 1;202(5):681-689.)


さて今回、2年成績が発表されています。6か月および12か月の成績は既に報告されており、ベースラインから6か月後・12か月にかけて、CATスコア、SGRQスコアが有意に改善しました(Am J Respir Crit Care Med. 2020 Sep 1;202(5):681-689.)。



Sciurba FC, et al. Bronchial rheoplasty for chronic bronchitis: 2-year results from a US feasibility study with RheOx. BMJ Open Respir Res. 2023 Dec 26;10(1):e001710.


  • 概要
■慢性気管支炎(CB)は、持続的な咳と粘液分泌過多を特徴とする慢性閉塞性肺疾患(COPD)の表現型であり、ガイドラインに基づいた治療にもかかわらず予後不良と関連している。RheOxシステムによる気管支レオプラスティ(BR)は、下気道上皮と粘膜下層に非熱パルス電界を与え、粘液産生細胞を減少させる。1年間の追跡調査を含む初期段階の臨床試験では、気道杯細胞過形成の減少とCB症状の改善が証明されている。

■今回の多施設共同観察研究では、アメリカ6施設で21人のCB患者が登録され2年間追跡された。登録基準は、COPD Assessment Test(CAT)の咳・痰のスコアが高いこと、%1秒量が80%未満であることとされた。安全性は24か月までの重篤な有害事象(SAE)発生率で評価した。臨床的有用性はCAT、SGRQスコアの変化、介入前後の増悪率の比較によって評価した。

■手技関連およびデバイス関連のSAEは発生しなかった。12か月時と24か月時のCATのベースラインからの平均変化は、それぞれ-9.0±6.7(p<0.0001)と-5.6±7.1(p<0.0047)、SGRQは-16.6±13.2(p<0.0001)と-11.8±19.2(p<0.0227)であった。治療前の1年間と比較して、中等度のCOPD増悪イベントは34%、重度のCOPD増悪イベントは64%減少した。






by otowelt | 2024-01-12 00:06 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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