メタアナリシス:IPF急性増悪の予後予測因子
2024年 01月 17日
IPF急性増悪は、「増悪期間乗り切れるかどうか」が重要なポイントとなります。1か月近くにおよぶ闘病によって、低アルブミン血症に陥ったり、酸素流量が増加したり、いろいろと乗り越えなければならないハードルがあります。
Pitre T, et al. Prognostic factors associated with mortality in acute exacerbations of idiopathic pulmonary fibrosis: A systematic review and meta-analysis. Respir Med. 2023 Dec 26:107515.
- 概要
■特発性肺線維症の急性増悪(AE-IPF)は死亡リスクを増加させるが、どの因子が死亡率を増加させるかは不明である。IPF患者の死亡率に関連する因子の予後レビューを行うことを目的とした。MEDLINE、EMBASE、CINAHLを検索し、何らかの予後因子とAE-IPFとの関連を報告した研究を検索した。
■35件の研究を解析に組み入れた。ベースライン時の長期的な酸素療法(調整ハザード比2.52 [95%信頼区間1.68~3.80]、中程度の確実性)、非IPF ILD(調整ハザード比2.19 [95%信頼区間1.22~3.92]、中程度の確実性)が、AE-IPF患者の死亡リスクの高さと関連することが明らかになった。胸部HRCT上のびまん性陰影は、非びまん性パターンと比較して、AE-IPF患者の死亡リスクの高さと関連していた(調整ハザード比2.61 [95%信頼区間1.32~2.90]、中程度の確実性)。入院前の全身性ステロイドの使用(調整ハザード比2.19 [95%信頼区間1.26~3.82]、中程度の確実性)、および増悪時の気管支肺胞洗浄(BAL)で好中球が増加している患者は、死亡リスクが高かった(調整ハザード比1.02 [95%信頼区間1.01~1.04]; 中程度の確実性)。
by otowelt
| 2024-01-17 00:18
| びまん性肺疾患