抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎関連ILDにおいて尿酸値低値は死亡リスク因子
2024年 02月 09日
尿酸はビタミンCを凌駕する抗酸化作用を有しているため、低値になりすぎることが問題であるというのは、どの分野の研究でも示されている通りです。尿酸値の単位が国内外で異なるので、59.58で除して日本で慣用されている単位に変換してみました。
Liu H, et al. Hypouricemia as a novel predictor of mortality in anti-MDA5 positive dermatomyositis patients with ILD: A retrospective cohort study. Respir Med. 2024 Jan 14:222:107530.
- 概要
■抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎は急速進行性間質性肺疾患(RPILD)と高い死亡率を伴う特発性炎症性筋炎(IIM)のサブタイプである。この後ろ向き研究は、死亡率の予測因子を同定し、容易に検出できる新規指標を発見することを目的とした。
■2016年1月から2021年10月にかけて、中国南西部最大の単一施設コホートである四川大学筋炎コホートにおいて抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎関連ILD患者183例を後ろ向きに検討した。臨床的特徴を検討し、単変量および多変量Cox回帰分析により死亡のリスク因子を同定した。
■183例の登録患者のうち、59例がRP-ILDを呈し、53例が追跡期間中に死亡した。死亡した患者は生存した患者と比較して、呼吸困難の割合が高く、CRPとLDHが高く、ヘリオトロープ疹の割合が低く、リンパ球数が少なく、血清尿酸値が低かった。特に、低尿酸血症(尿酸値<154μmol/L=<2.59mg/dL)の患者は、非低尿酸血症群と比較して、CRPとLDHの濃度が高く、好中球数が多く、リンパ球数が低く、死亡率が高かった。
■多変量Cox回帰分析では、低尿酸血症、喫煙、RPILD、高HRCTスコア、LDH上昇、リンパ球減少が抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎関連ILD患者の死亡リスク因子であることが確認された。低尿酸血症患者は非低尿酸血症患者よりも生存率が有意に低かった。
by otowelt
| 2024-02-09 00:25
| 膠原病