重症肺MAC症に対するクロファジミン

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クロファジミン vs 非クロファジミンの比較ではないため解釈には注意が必要です。マクロライドはもはやクラリスロマイシンは用いられておらず、リファンピシンの使用頻度もかなり少ないです。ソウル大学病院では、クロファジミンは体重が50 kg以下の場合に50mg/日、体重が50kgを超える場合は100 mg/日が投与されています。皮膚着色については、本研究では「中止にいたった皮膚着色」と定義されているので、実際にみる頻度よりはかなり少ないものと理解しています。




  • 概要
■クロファジミンは、肺NTM症の有望な薬剤である。しかし、重症肺MAC症におけるクロファジミンの役割は依然として不明である。 この研究では、クロファジミンを含むレジメンで治療された重症肺MAC症の治療成績を調べた。

■研究には、ソウル大学病院で重症肺MAC症と診断され、2011年1月1日から2022年12月31日までに抗酸菌治療薬を投与された患者が含まれた。クロファジミン投与を受けた患者の6か月以内の培養陰性化と微生物学的治癒を評価した。また、クロファジミン投与の用量と期間を考察した。

■クロファジミンを含むレジメンで治療を受けた重症肺MAC症170例が解析に含まれた。判断が困難になるため、アミカシン併用者は除外された。9人の患者(5.3%)がマクロライド耐性株だった。患者の年齢中央値は68歳(IQR59~75歳)で、女性が圧倒的に多かった(114例 [67.1%])。空洞が121例の患者 (71.2%)にみられ、76例(62.8%)の空洞が直径2 cm以上だった。

■マクロライドは169例の患者に投与された(168例がアジスロマイシン、1例がクラリスロマイシン)。 エタンブトールは、エタンブトールに関連する副作用を以前に経験したことがある20例を除く、150例(88.2%)に処方された。リファンピシンは15例の患者 (8.8%) に投与された。

■ 6か月以内に、170例中77例の患者 (45.3%) が培養陰性化を達成し、154例中84例 (54.6%) が微生物学的治癒を達成した。

■クロファジミンの用量(100 mg vs 50 mg)は、培養陰性化(調整オッズ比0.64 、95%信頼区間0.29-1.42)または微生物学的治癒(調整オッズ比1.21、95%信頼区間0.52-2.81)とは関連していなかった。 微生物学的治癒は、クロファジミンを6~12か月投与した場合は71.0%に達したが、6か月未満で投与した場合は23.1%のみだった。





by otowelt | 2024-02-10 15:53 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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