肺結核に対する高用量リファンピシンの肝障害と培養陰性化率は?
2024年 02月 22日
髄膜炎においては、高用量にしないと効果が乏しいという見解があります。これは、リファンピシン投与初期は髄液移行率がよいのですが、2週間目から急速に移行率が低下するというデータがあるためです。とはいえ、高用量にすると肝障害や消化器系の副作用が多くなってしまいます。
- 概要
■肺結核治療におけるリファンピシン10mg/kgと25mg/kg、35mg/kgのhead-to-headで比較した診療試験はほとんどない。
■新規に培養陽性となった薬剤感受性肺結核成人患者333例を対象とした多施設共同第IIb相ランダム化試験で、高用量リファンピシン(R25/R35)の安全性と有効性を、従来用量(R10)を8週間連日投与した後に標準用量を16週間投与した場合と比較した。主なアウトカムは、治療により発現したグレード3/4の有害事象および液体培地における培養陰性化までの期間とした。
■修正ITT集団323例(R10:105例/R25:112例/R35:106例)において、grade 3/4の有害事象は初期強化治療期の34例で報告された。グレード3/4の肝毒性は、R10、R25、R35でそれぞれ3.8%、6.3%、11.3%であり、投与中止にいたったのも同数であった。高ビリルビン血症は、それぞれ1.0%、0.9%、6.6%にみられた。
■液体培地での培養が安定に移行するまでの期間は、R10と比較すると高用量群のいずれにおいても短かった(R25:調整ハザード比1.71、95%信頼区間1.26-2.31、R35:調整ハザード比1.81、95%信頼区間1.33-2.48)。
by otowelt
| 2024-02-22 00:39
| 抗酸菌感染症