NEBULAMB試験:アレルギー性気管支肺アスペルギルス症における胸部CT効果指標
2024年 03月 07日
ABPAにおけるmucoid impactionは、真菌が酸化物として産生する鉄、マンガン、カルシウムが高吸収域になることが分かっています。これをHAM(high attenuation mucus)と呼び、きわめて特異度が高い所見です。
- 概要
■アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 (ABPA) の管理における主要な課題の 1 つは、治療に対する反応を再現可能に評価することである。治療反応性を評価するために、胸部CT検査パラメータの経時的変化と関連性のある因子を調べた。
■ランダム化臨床試験(NEBULAMB)において、胸部CT検査が利用可能で、4か月のABPA増悪の治療期間(全身性ステロイドとイトラコナゾール)中に増悪がなかった喘息患者が含まれた。変化があった胸部CTパラメータは、治療開始時 (M0) と治療終了時 (M4) の胸部CTの体系的な分析によって評価された。胸部CT検査は臨床データが分かっていない2人の放射線科医によって評価された。少なくとも 1 つの症状が改善し、他の症状が悪化することがなければ、効果ありと判定された。この際、放射線学的変化、臨床的パラメータも同様に調査された。
■初期にランダム化された患者139人のうち、132人が含まれた。われわれは、M4で有意な変化を示す5つの胸部CT検査パラメータを特定した。mucoid impactionの範囲、mucoid impactionの濃度、小葉中心性結節、浸潤影・GGO、気管支壁肥厚であった(P<0.05)。 これらの変化は、mucoid impactionの範囲・濃度を除くと、相互に弱い関連しかなかった。全体的な反応として評価した場合も、各パラメータを考慮した場合も、臨床的・放射線学的な一致は観察されなかった(κ:-0.01 ~ 0.24)。
by otowelt
| 2024-03-07 00:32
| 感染症全般