全身性強皮症関連ILDに対するニンデタニブは消化器系副作用が多い
2024年 04月 02日
もともと消化器系の症状が多いためか、ニンテダニブの副作用も多めに出るようです。なので、GERD合併ILDなどでも注意が必要です。
■下痢や吐き気などの消化器症状は、ニンテダニブに関連する一般的な有害事象である。全身性強皮症(SSc)は消化器症状の有病率が高く、ニンテダニブ投与によってこれが増加する可能性がある。臨床において、SSc-ILD患者が特発性間質性肺炎(IIPs)患者よりもニンテダニブに関連する消化器系有害事象を多く経験するかどうかを明らかにした。
■2020年1月から2022年9月までに熊本大学医学部附属病院でニンテダニブによる新規治療を受けたSSc-ILDおよびIIPs患者の臨床記録を後ろ向きに調査し、有害事象を比較した。
■SSc-ILD患者27例、IIPs患者34例が登録された。ニンテダニブの投与期間に有意差はなかった。両群で最も頻度の高かった有害事象は下痢で、SSc-ILD群でより頻度が高かった(81.5% vs 61.8%、p = 0.157)。吐き気はIIPs群よりSSc-ILD群で有意に頻度が高かった(37.0% vs 11.8%、p = 0.031)。試験期間中のニンテダニブの永続的な投与中断率に群間差はなかった(40.7% vs 32.4%、p = 0.595)。SSc-ILD群で最も多かった中断理由は嘔気であり、IIPs群ではILDの進行が原因であった。
by otowelt
| 2024-04-02 00:47
| びまん性肺疾患