日本における慢性咳嗽の原因
2024年 04月 09日
日本咳嗽学会の登録施設であり、咳嗽に造詣が深い施設での検討です。咳喘息がもっとも多いという結果でした。重複疾患が多い中、よくぞここまで丁寧にまとめられたと思います。
- 咳嗽
■慢性咳嗽は呼吸器疾患の最も一般的な症状の一つであり、患者QOLに悪影響を及ぼし、社会活動に支障をきたし、大きな社会的負担となっている。慢性咳嗽の頻度や治療効果を明らかにするための調査が必要である。しかし、日本全国を対象とした臨床研究はまだほとんど行われていない。
■2年間の調査期間中に8週間以上続く咳嗽を呈し、日本咳嗽学会に加盟する呼吸器科診療所または病院を受診した患者を登録した。
■合計379例が登録され、慢性咳嗽の定義を満たさない患者は除外された。合計334例が解析対象となり、201例は単一の原因、113例は2つ以上の原因であることがわかった。
■主な原因疾患は、咳喘息92例(27.5%)、副鼻腔気管支症候群(SBS)36例(10.8%)、アトピー咳嗽31例(9.3%)、胃食道逆流症(GER)関連咳嗽10例(3.0%)、咳優位型喘息8例(2.4%)であった。334例における重複疾患を1疾患としてカウントし、n=515で計算すると、咳喘息36.7%、SBS21.4%、アトピー咳嗽20.2%、GER7.4%、咳優位型喘息2.7%となった。
■未診断患者とSBS患者の治療に要する時間は有意に長く、GER関連咳嗽の治療成功率はかなり低かった。
by otowelt
| 2024-04-09 00:37
| 呼吸器その他