血球貪食性リンパ組織球症合併結核の臨床的特徴
2024年 04月 18日
HLH合併結核は粟粒結核になっていることが多いです。当院にもたまに紹介されてきます。酸素療法が適用されておらず、ADLが寝たきりでない場合、回復することが多いので、paradoxical reactionをどうにか乗り切ってほしいところです。
- 概要
■結核は、死亡率の高い重篤な炎症症候群である二次性血球貪食性リンパ組織球症(HLH)を誘発する可能性がある。われわれは、成人のHIV陰性結核関連HLH(TB-HLH)関する文献を統合し、臨床的敵特徴・診断戦略・生存率の改善に関連する治療アプローチを調べた。
■PubMed、Embase、Global Index Medicusで適格な記録を検索した。TB-HLH症例は、(1)HLHを発症しながら抗結核治療を受けている結核診断確定患者、(2)原因不明のHLHを停止後に結核と診断された患者、のいずれかに分類した。ロジスティック回帰モデルを用いて、生存に関連する臨床的および診断的パラメータを定義した。
■115例のうち45人(39.1%)が結核罹患率の低い国(10万人あたり年10人未満)の患者であった。HLH発症時すでに結核が判明している患者(n=21)と比較すると、当初原因が不明だったHLH患者(n=94)は肺外結核を有することが多く(66.7% vs 88.3%)、肺結核合併は少なかった(91.5% vs 59.6%)。
■検査が報告された患者の78.4%(n=74)で骨髄から結核菌が同定された。ツベルクリン反応またはインターフェロン-γ遊離アッセイが陽性となったのは、検査した患者のわずか10.5%(4/38)であった。院内死亡率は、結核治療を受けた患者では28.1%(27/96)、抗結核治療を受けなかった患者では100%(18/18)であった(P < 0.001)。
by otowelt
| 2024-04-18 00:16
| 抗酸菌感染症