EMBARCレジストリ:喀痰の色は気管支拡張症の増悪予測に重要
2024年 04月 29日
Murrayのチャートを指標として用いた、世界最強EMBARCレジストリからの気管支拡張症の増悪に関する研究です。EMBARCから色々研究が出ていて、読むのが大変です。
- 概要
■検証済みの 4 ポイントの喀痰色のチャートを使用して、気管支拡張症患者の気道炎症レベルを客観的に評価可能である。EMBARCレジストリでは、喀痰の色が疾患の重症度や臨床アウトカムと関連するかどうかをテストした。
■31か国で実施された気管支拡張症の成人の前向き観察研究である。自然に喀痰を出せなかった患者は分析から除外した。Murray喀痰カラーチャート(M: mucoid→MP: mucopurulent→P: purulent)は、ベースラインおよびフォローアップ来院時に使用された。主要な結果は、増悪頻度、重篤増悪による入院、最長5年間追跡期間中の死亡である。
■13,484 人の患者が分析に含まれた。膿性度が高いほど、1秒量の低下、QOL低下、細菌感染の増加、気管支拡張症の重症度指数の上昇と関連していた。喀痰色は、追跡調査中の将来の増悪リスクと強く関連していた。
■Muccay Mの患者と比較して、MP喀痰の患者は有意に多くの増悪を経験した(IRR 1.26、95%信頼区間1.19-1.33、p<0.0001)。さらに、P(IRR 1.45、95%信頼区間1.36–1.55, p<0.0001)、重度P (IRR 1.54、95%信頼区間1.26–1.89)でも同様に増悪が多かった。膿性度の増加ごとに、死亡率は有意に増加した(ハザード比 1.12、95%信頼区間1.01-1.24、p=0.027) 。
by otowelt
| 2024-04-29 00:57
| 呼吸器その他