COLD研究:間質性肺疾患の診断では外科的肺生検前にクライオバイオプシーを行うべきか?

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TBLC単独で十分評価できているようで、SLB不要というメッセージ性すら感じました。胸腔ドレーン挿入の絶対リスク減少についての記述については、24時間というのが妥当な数値かどうか何とも言えないところ・・・と思いました。


  • 概要
■ILDの適切な診断は、臨床意思決定と予後にとって重要である。ほとんどのILD患者では、臨床的および胸部X線データ評価により正確な診断が可能であるが、かなりの割合の患者では肺生検が必要である。

■外科的肺生検(SLB)は組織を採取する最も一般的な方法であるが、リスクを伴う。最近では、クライオバイオプシー(TBLC)が導入された。有害事象は少ないが、診断精度はSLBより低い。

■本研究の目的は、2つの診断戦略を比較することである。①ステップアップ戦略(TBLCで十分な情報が得られない場合はSLB)、②最初からSLB

■COLD試験は、オランダの6つの病院で行われた多施設共同RCTである。対象は、MDDにより肺生検適応があると判断されたILD患者である。患者は、戦略①と②に1:1の割合でランダムに割り付けられ、初回手技から12週間の追跡調査が行われた。患者、臨床医、病理医は試験治療について盲検化されなかった。

■プライマリエンドポイントは予定外の胸腔ドレーン留置である。具体的にはTBLC後に胸腔ドレーンを必要とした場合、またはSLB後に胸腔ドレーン留置が長期化した場合(24時間以上)と定義した。セカンダリエンドポイントは、診断精度、入院期間、疼痛、重篤な有害事象であった。

■修正ITT解析では、2019年4月8日~2021年10月24日の間に、122例のILD患者が評価され、55例が戦略①(n=28)あるいは②(n=27)にランダムに割り付けられた。

■予定外の胸腔ドレーン留置は、①群では28例中3例(11%;95%CI 4-27%)に発生し、24時間以内に胸腔チューブを抜去できなかった患者は②群では24例中11例(46%;95%CI 2-65%)であり、絶対リスクはTBLCにおいて35%減少した(11-56%;p=0-0058)。

■肺生検後のMDDによる最終診断は、慢性過敏性肺炎(n=27/52;52%)、特発性NSIP(n=7;13%)、IPF(n=4;8%)であった。

■TBLC後だけでMDDによる診断精度は82%(64~92%)であり、結論に至らなかったTBLC後にSLBを行った場合は89%(73~96%)に増加した。戦略②では、MDDによる診断率は88%(69-97%)であった。

■在院日数は①群1日(IQR 1-1)に対し、②群5日(IQR 4-6)であった。

■重篤な有害事象は①群で1例(4%)発生したのに対し、②群では12例(50%)であった。

■ILD診断において、肺組織評価が必要な場合、TBLCから開始してTBLCのみで結論が得られない場合にSLBを行う診断戦略は、最初からSLBを行う場合と同程度の診断成績であり、患者負担と在院日数の有意な短縮をもたらす。





by otowelt | 2024-04-21 00:27 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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