嚢胞性線維症増悪に対して経口プレドニゾロンは有効か?
2024年 05月 24日
びまん性の気管支拡張症をきたす嚢胞性線維症の増悪は、COPD増悪とは異なり全身性ステロイドの恩恵を受けにくいと言わざるを得ません。日本ではDPBがもっとも近いもので、なんとなく外挿してもよさそうに感じます。あかんか。
- 概要
■全身および肺の炎症マーカーの上昇は、嚢胞性線維症患者における増悪後の肺機能の回復不良と関連している。われわれの目的は、抗菌薬が奏効しない増悪において、プレドニゾロンの補助経口投与が1秒量回復と関連するか調べることである。
■本試験は、嚢胞性線維症増悪に対して抗菌薬を静脈内投与された患者を対象としたランダム化二重盲検プラセボ対照試験である。7日目に、ベースラインの1秒量が90%以上に回復していない患者を、補助的経口プレドニゾロン1mg/kgを1日2回(最大60mg/日)投与する群とプラセボを7日間投与する群にランダムに割り付けた。主要評価項目は、抗菌薬開始14日目にベースラインの1秒量が90%以上に回復した被験者の割合の差とした。
■173例が登録され、76例がランダム化対象となった。14日目にベースラインの1秒量を回復した被験者の割合は、プレドニゾロン群で50%であったのに対し、プラセボ群では39%であり、その差は11%であった(95%信頼区間-11~34%、p=0.34)。7日目から14日目までの1秒量平均変化は、それぞれ予測値6.8±8.8%、4.6±6.9%であった(平均差予測値2.2%:95%信頼区間-1.5~5.9%、p=0.24)。その後の増悪までの期間は、プレドニゾロン群では延長しなかった(ハザード比0.83, 95%信頼区間0.45~1.53; p=0.54)。
by otowelt
| 2024-05-24 00:55
| 呼吸器その他