結核とその後の慢性肺アスペルギルス症
2024年 06月 09日
追跡時にはCPAの存在にも注意が必要です。ただ、抗酸菌2+で診断がついたと思っていても、背景にCPAが併存することもあるという啓蒙的な報告になっています。
- 概要
■慢性肺アスペルギルス症(CPA)は結核後肺疾患の合併症として知られている。しかし、新たに肺結核と診断された患者では、診断時にCPAが共存し、治療中に発症する可能性を示唆するエビデンスもある。本研究の目的は、新たに肺結核と診断された患者において、ベースライン時および結核治療終了時にCPAの存在を確認することである。
■この前向き縦断的研究は、新たに結核と診断された患者を対象とし、結核治療3か月目および治療終了時に症状評価、抗アスペルギルスIgG抗体、胸部画像診断を行い、CPAを診断した。
■ベースライン時に255人の患者をリクルートし、そのうち158人(62%)がフォローアップを完了した。抗アスペルギルスIgGはベースライン時で11.1%、結核治療終了時で27.8%が陽性だった。全体として、証明されたCPAはベースライン時7%、結核治療終了時14.5%だった。結核治療終了時に胸部CTでアスペルギローマが確認された患者は約6%であった。
■CPAは新規に結核と診断された患者において、診断時に存在する可能性があり、また抗結核治療中に発症する可能性もある。
by otowelt
| 2024-06-09 00:53
| 感染症全般