機能的依存度が高い患者は耐性菌を手に保菌するリスクが高い
2024年 06月 12日
重度の機能依存の患者は、多剤耐性菌を手に保菌している可能性が高いという話。手指衛生しにくいですから、これをどう解決するかですね。
- 概要
■医療現場における患者の手による感染症伝播の影響は、重要でありながら十分に研究されていないトピックである。私たちは、急性期ケア現場における患者の機能的依存と多剤耐性菌 (MDRO) による手指汚染の相関を評価した。
■6か月間にわたり2つの三次医療病院に登録された399人の一般内科患者を対象とした横断研究である。予測因子として、Katzの日常生活活動スケールを使用して評価された患者の機能状態であり、以下のようにスコアリングされた:機能的に独立 (スコア 0)、中等度依存 (スコア 1~3)、重度依存 (スコア 4 以上)。MDROであるMRSA、VRE、耐性GNRによる手指汚染を観察した。
■399人の患者のうち、298人が機能的に自立しており、45人が中等度の依存、56人が重度依存であった。重度依存の集団では、MDRO による手指汚染のオッズが自立のカテゴリーに比べて 2.63倍高かった (95%信頼区間1.21-5.72)。摂食機能が依存状態にある患者は、MDRO による手指汚染の頻度が最も高く (オッズ比4.76、95%信頼区間1.54-14.71)、これに排泄依存状態、更衣依存状態が続いた。患者のコロニー形成に加えて、MRSAによる環境汚染は患者の機能と関連しており、重度依存の患者では頻度が高くなった(オッズ比2.60、95%信頼区間1.16-5.82)。
by otowelt
| 2024-06-12 00:36
| 感染症全般