COPD患者におけるソフトミスト吸入器の誤使用

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この研究によると、「吸入前に息を吐く」ができていないということになります。

しかしこれは、SMI特有の誤使用ではなく、どの吸入薬にも通じることと思います。日本で使用されているソフトミスト吸入器は、レスピマットです。COPDではスピリーバ®とスピオルト®が保険適応となっています。


  • 概要
■吸入気管支拡張薬の使用は、COPD治療の主流でありソフトミスト吸入器 (SMI) はpMDIやDPIの欠点を克服するために開発されました。しかしながら、取り扱い中の誤用は多くの研究で頻繁に観察されている。COPD 患者における SMI の誤用に焦点を当てた研究はほとんどない。COPD 患者における SMI の誤用に関連するリスク要因を評価し特定した。

■この前向き観察横断研究では、2018 年1月から2020年3月の間にSMI治療を受けていたCOPD患者を登録しました。医療スタッフがチェックリストを使用して、参加者のデバイスの取り扱いを評価した。

■159人の参加者のうち、136 人 (85.5%) が吸入器の誤使用を報告しました。COPDの持続期間とCATスコアは、吸入器の誤用と正の相関関係があった。アドヒアランスと教育水準は、吸入器の誤使用と負の相関関係にあった。

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■多変量解析では、教育水準の低さ(高校未満)、CATスコアの高さ(10以上)、COPDの罹病期間の短さ(2年以下)が、SMIの誤使用のリスク因子として特定された。

■SMIの誤使用は、COPD患者の間で依然として一般的である。






by otowelt | 2024-07-03 00:23 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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