NIV治療患者に対する鎮静薬は挿管・死亡リスクを上昇
2024年 06月 27日
NIVの刺激によって眠れないという患者さんは結構多いので、QOL確保のためにはやむを得ない気も致しますが・・・。
- 概要
■急性呼吸不全 (ARF) に対する非侵襲的人工呼吸 (NIV) を受けている患者への鎮静および鎮痛の投与に関するアメリカのプラクティスを記述し、これと挿管または死亡のオッズとの関連性を調べることを目的とした。
■後ろ向き多施設コホート研究で、合計1017の病院が、2010年1月から2020年9月の間に、Premier Healthcare Databaseにデータを提供した。対象は、ARFに対する NIVを要する入院成人患者 (18 歳以上)とした。
■NIV を受けている 43万3,357人の患者が同定され、そのうち 26.7%(95%信頼区間26.3%-27.0%) が鎮静または鎮痛の治療を受けた。合計5万589人(11.7%)がオピオイドのみ、4万646人(9.4%)がベンゾジアゼピンのみ、2万146人(4.6%)がオピオイドとベンゾジアゼピン、1,573人(0.4%)がデクスメデトミジンのみ、2,639人(0.6%)がオピオイドおよび/またはベンゾジアゼピンに加えてデクスメデトミジンを投与された。
■NIVを受けた43万3,357人の患者のうち、5万413人(11.6%; 95%信頼区間11.5-11.7%)が入院2~5日目に侵襲性人工呼吸管理を要し、入院2~30日目に死亡した。3万2,301人の患者(7.4%; 95%信頼区間7.3-7.6%)に気管挿管が行われた。
■共変量を調整した多変量解析では、研究対象の薬剤の投与は、挿管または死亡のオッズ増加と関連していた。逆確率重み付け法では、研究対象の薬剤の投与も、挿管または死亡のオッズ増加と関連していた (平均治療効果オッズ比 1.38、95%信頼区間1.35-1.40)。
by otowelt
| 2024-06-27 01:54
| 集中治療