関節リウマチにおけるCOPDリスク
2024年 06月 30日
関節リウマチにおけるCOPDリスクは約2倍高いとする報告です。
Chung C, et al. Does Rheumatoid Arthritis Increase the Risk of COPD?: A Nationwide Retrospective Cohort Study. Chest. 2024 Jun;165(6):1362-1371.
■関節リウマチ (RA) における肺症状の報告のほとんどは、ILDと関連している。RAとCOPD はどちらも慢性炎症性全身性疾患である。RAがCOPD発症リスクを高めるかどうか調べた。また、血清陽性RAと血清陰性RAでの違いも調べた。
■韓国国民健康保険データベースを使用して、2010 年から 2017 年の間に RA と診断された個人をスクリーニングした。RA 患者 4万6,030 人 (血清陽性 RA 患者 3万2,608 人、血清陰性 RA 患者 1万3,422 人) と、それにマッチした対照者 23万150 人を特定し、2019 年 12 月までモニタリングした。多変量 Cox 比例ハザード モデルを使用して、COPD 発症のリスク要因の調整ハザード比 (aHR) を推定した。
■RA患者の COPD 発症率は 1,000 人年あたり 5.04 で、対照群では 1,000 人年あたり 2.23 だった。RA 患者は対照群と比較して COPD 発症リスクが高かった (aHR2.11、95%信頼区間1.96-2.28)。血清陽性 RA と血清陰性 RA はどちらも COPD 発症リスクの増加と関連していたが、血清陽性 RA 患者は血清陰性 RA 患者よりも COPD 発症リスクが高かった (aHR1.26、95%信頼区間1.09-1.46)。サブグループ解析では、喫煙歴は RA と COPD 発症の間に有意な交互作用を示さなかった。
■RA は血清陽性の場合とりわけCOPD 発症リスクの増加と関連していることが示された。
by otowelt
| 2024-06-30 00:42
| 気管支喘息・COPD
