ABPAに対する生物学的製剤
2024年 06月 21日
プレドニゾロンを長期間続けている難治性ABPAの患者さんは実は少なくありません。喘息はABPAの主症状でもあり、個人的には割と生物学的製剤を普通に使っています。疾患Aが疾患Bを包括している場合、疾患Aにしか保険適用がなくても通常疾患Bで査定されることはありません。
- 概要
■背景:ABPAに対する生物学的製剤は、ケースシリーズまたは症例報告において、ABPAの補助的治療として報告されている。当該研究は、ABPAマネジメントにおける生物学的製剤の有効性を定性的・定量的に分析することを目的とした。
■2023年10月に公開されたAPBAに関する全記事を、PubMed、Web of Science、ClinicalTrials.gov、Embase データベースで検索した。増悪率、OCS、血清IgEを含む項目のベースラインからの平均変化で評価した。通常のメタアナリシスおよびIPDメタアナリシスをおこなった。
■合計86件の研究がシステマティックレビューに含まれ、346人の患者が対象となった。オマリズマブに関する16件の研究がメタアナリシスのために統合された。オマリズマブは、増悪率 (- 2.29 [95%信頼区間- 3.32~-1.26])、OCS 投与量 (- 10.91 mg [95%信頼区間- 18.98~- 2.85])、総IgE値 (- 273.07 IU/mL [95%信頼区間- 379.30~- 166.84]) を有意に減少させ、同時に%予測1秒量 (10.09% [95%信頼区間6.62~13.55]) を改善した。デュピルマブ、メポリズマブ、ベンラリズマブに関する 31 件の研究が統合され、IPD メタアナリシスが後ろ向きに実施された。デュピルマブとメポリズマブは両方とも増悪率、OCS、総 IgE 値を有意に減少させた。ベンラリズマブも同様の傾向を示したが、統計的に有意ではなかった。テゼペルマブは ABPA に対するエビデンスに乏しかった。
■これらの結果を確認するには、より大きなサンプルサイズとより長い追跡期間を伴うランダム化比較試験が必要である。
by otowelt
| 2024-06-21 00:51
| 気管支喘息・COPD