重症小児喘息があった人の60年後、9割がまだ喘息
2024年 07月 04日
これはすごい研究ですね。日本では到底不可能な研究です。調査完遂率が高い!
60年たっても苦しめられるのは厳しいなと思いますが、成人になるまで吸入ステロイドなしで生活していたことが大きく影響しているかもしれません。今の喘息は、よりコントローラブルになっているはず。
- 概要
■重症小児喘息の既往歴のある成人の60年間の追跡調査において、成人期に喘息が持続する人と喘息が寛解する人の間に、特徴の違いがあるかどうかを検証した。
■小児喘息の既往があり、小児期に喘息治療施設に4か月間入院した(1950~1979年)デンマークの成人を対象とした。募集はソーシャルメディアと個人的な発送を通じて行われた。参加者は質問票に記入し、スパイロメトリー、誘発試験、気道可逆性検査、血液検査を受けた。喘息寛解は、過去12か月以内に喘息治療薬を使用せず、喘息症状がないことと定義され、残りの参加者は現在喘息があると分類された。
■対象者1394人のうち、232人が追跡調査を完了した。90%が現在の喘息を有し、そのうち26%が過去1年間に増悪を報告した。二次医療機関で管理されている参加者は全体のわずか16%であった。
■一般的な併存疾患は、アレルギー性鼻炎(60%)、高血圧(21%)、湿疹(16%)、白内障(8%)であった。寛解した患者と比較して、持続性喘息の患者は血清総IgE値が高く(p=0.03)、%予測1秒量(p=0.03)、1秒率(p<0.001)がともに低く、FeNOと血中好酸球数が高かった。
■重症の小児喘息の既往歴のある成人を対象とした60年間の追跡調査から、10人中9人が現在も喘息を有していることが明らかになった。持続性喘息は、喘息寛解者と比較して、肺機能の低下および2型炎症バイオマーカーの高値と関連していた。
by otowelt
| 2024-07-04 00:59
| 気管支喘息・COPD