気道のPneumocystis jiroveciiコロナイゼーションと重症肺炎リスク
2024年 08月 11日
Kaplan-Meier曲線は、有意差はないもののPJ非コロナイゼーション群の下を通っています。
- 概要
■重症肺炎患者におけるP. jirovecii(PJ)のコロナイゼーションと臨床的特徴は不明のままだった。
■重症肺炎と診断された個人におけるPJに関連する臨床的特徴と結果を調べた。
■この多施設共同後ろ向きマッチ研究では、2019 年から2023年にかけて17の医療センターのICUでBALを受けた重症肺炎患者が登録された。患者は、臨床メタゲノミクス、肺 CT、臨床所見に基づいて診断された。臨床データは後ろ向きに収集され、傾向スコアマッチングおよび Cox 多変量回帰分析により、PJコロナイゼーションの患者の予後がPJ陰性患者の予後と比較された。
■PJ陽性患者の 40% がコロナイゼーションと考えられた。PJコロナイゼーション群は、陰性群と比較して、免疫抑制患者の割合が高く、リンパ球数が低かった。PJコロナイゼーションがあるほうが、肺におけるCMV、EBV、HHV6B、HHV7、トルクテノウイルスの検出頻度が高かった。
■傾向スコアマッチングにより 2 つのコホートを構築し、検出された微生物と臨床的特徴を Cox 比例ハザードモデルに組み込んだところ、重症肺炎患者の死亡率に対する独立したリスク要因としてPJコロナイゼーションが明らかとなった。ともに検出された微生物とST合剤治療を受けていない患者を考慮した感度分析でも、同様の結論だった。
■免疫抑制とリンパ球数の減少は、非PCP患者におけるPJコロナイゼーションのリスク要因として同定された。
by otowelt
| 2024-08-11 00:59
| 感染症全般