心電図AIモデルによる肺高血圧症の早期診断
2024年 09月 18日
早期診断・早期治療の領域ではAIモデルの構築が急務ですが、残念ながら日本の疫学研究は大きく遅れをとっています。先進国に見えて、臨床研究の分野ではデジタル化が遅いことが課題ですね。
- 概要
■肺高血圧症 (PH) の早期診断は、効果的な治療と管理に不可欠である。われわれは、標準的12誘導心電図の分析に基づいて、PHスクリーニング ツールとして使用できるAIアルゴリズムを開発し、妥当性を検証することを目標とした。
■PH 早期検出アルゴリズム (PH-EDA) は、右心カテーテル検査または心エコー検査に基づいて患者を「PHの可能性が高い」または「PHの可能性が低い」(対照) に分類した心電図データを含むニューラルネットワークである。
■メイヨークリニックの PH の可能性が高い患者 39,823 人と対照患者 219,404 人が、トレーニング セット (48%)、検証セット (12%)、テストセット (40%) にランダム化された。メイヨークリニックでは、PH 診断から 1 か月以内に取得された心電図 (診断データセット) を使用して PH-EDA をトレーニングした。パフォーマンスは、メイヨークリニック (n=16,175/87,998 PH 可能性/コントロール) およびヴァンダービルト大学医療センター (VUMC; n=6045/24,256 PH 可能性/コントロール) でテストされた。さらに、このパフォーマンスは、両施設での PH 診断の 6~18 か月前 (予防データセット) および最大5年前に取得されたECGでテストされた。
■パフォーマンス テストの結果、メイヨークリニックとVUMCの診断テストセットではAUCがそれぞれ 0.92 と 0.88、予防データセットではそれぞれ 0.86 と 0.81 だった。診断の5年前まで、AUCは最小0.79、VUMCで0.73を維持した。
■PH-EDA は、診断時および 6~18か月前にPHを検出できるため、疾患の診断と管理を加速できる可能性を示している。
by otowelt
| 2024-09-18 00:53
| 呼吸器その他