レルベアのMARTは喘息に有効か?
2024年 08月 26日
LABAの立ち上がりと作用時間を考えと、現在上市されているLABAでもMART可能なものが多いと思いますが、保険適応もガイドラインもICS/ホルモテロールが推奨されています。現状これを満たしているのは、シムビコート・ブデホルとなります。
レルベアもいけんじゃね?というのが今回の台湾の研究ですが、GSK社員が入っていないので驚きました。
- 概要
■これまでの研究では、ICS/FMによるMARTを治療を受けた喘息患者において、急性増悪率の低下と症状コントロールの改善が報告されている。フルチカゾンフランカルボン酸エステル (FF) /ビランテロール (VIL) も急速な気管支拡張と持続的な抗炎症効果をもたらすが、喘息コントロールのための MARTとしてFF/VIL を調査した研究はない。
■これは、2021 年 10 月 1 日から 2023 年 9 月 30 日まで、GINAガイドラインのステップ3または4に分類された喘息患者を2群に分けた後ろ向き観察研究である。片方の群は MART として BUD/FOR、もう 1 つの群は MART として FF/VIL を受けた。 12か月の治療前と治療後に、肺機能検査、増悪率、ACT、FeNO、血中好酸球数を測定した。
■161人の患者が対象となり、そのうち36人がBUD/FORをMARTとして1日2回投与され、125人がFF/VILをMARTとして1日1回投与された。
■12か月の治療後、FF/VIL群ではACTスコアが1.57(p < 0.001)と有意に上昇したが、BUD/FOR群では0.88(p = 0.11)上昇と有意ではなかった。FeNOレベルに関しては、BUD/FOR群では-0.2 ppb(p = 0.98)の低下がみられたが、FF/VIL群では+ 0.8 ppb(p = 0.7)とわずかに上昇した。どちらのグループでも、1秒量、血中好酸球数、急性増悪の低下に有意な変化は観察されなかった。
■本研究では、FF/VIL を MART として治療した患者は ACT スコアの改善を示し、BUD/FOR を MART として治療した患者は FeNO レベルの低下を示した。ただし、2 群の差は有意差がなかった。したがって、FF/VIL を MART として治療した場合、BUD/FOR を MART として治療した場合と同様の有効性を示すと考えられる。
by otowelt
| 2024-08-26 01:03
| 気管支喘息・COPD