クライオバイオプシー(TBLC)を行う医師の性差

クライオバイオプシー(TBLC)を行う医師の性差_e0156318_16492205.png
はじめにことわっておきますが、私は、個人的には医師の性差というのはあまり注目していません。糖尿病の管理は女性のほうがよいとか、いろいろエビデンスはあるのも事実ですが。

とりあえず女性医師のほうがILD診断率が高いという報告がRespiratory Medicine誌に掲載されていました。編集部に、Letterがいっぱい来そう。

ちなみに私は腰と肩を痛めていて、激しい気管支鏡手技はしんどいです。歳はとりたくないもんじゃ。




  • 概要
■現在までに、気管支鏡インターベンションの評価に関する性別のデータはない。この研究の目的は、ILD診断におけるクライオバイオプシー (TBLC) の結果の性差を調査することである。

■ILD評価のために実施されたすべての連続 TBLC例を分析した。この処置の適応は、MDDによって決定された。気管支肺胞洗浄 (BAL) および組織学的な最終結果は、2 回目MDDで協議された。

■TBLC は 406 人の患者 (女性 38.4%、年齢 67.8 歳、FVC 76.8%) に実施された。32 人のインターベンション医師のうち、16 人の女性が全体の53%の介入をおこなった。

■女性は男性よりも処置時間が長く(29.9 分 vs. 26.6 分、p=0.046)、透視の使用頻度が高く(76.7% vs. 50.3%、p<0.001)、採取されたサンプル数も多かった(3.6 vs. 3.2、p=0.021)。重度の出血や気胸については有意差はなかった。

■MDD は、女性医師が実施した介入の 88.4%、男性医師が実施した介入の 78.5% で診断を確定できた(p=0.010)。多変量解析では、女性であること(オッズ比1.93)と FVC% 値が低いこと(オッズ比0.98)が診断率と有意に関連していた。生検数、専門経験、透視、抗血小板薬の使用とは関連がなかった。

■女性医師のほうが、男性医師よりもMDD-ILDオッズ比が高い。





by otowelt | 2024-09-02 00:20 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31