ETHOS試験事後解析:トリプル吸入療法による心血管系イベントへの効果
2024年 09月 21日
ETHOS試験は、ビレーズトリが上市されるにいたった有名な研究です。
■参考記事:ETHOS試験:COPDに対するトリプル吸入療法(https://pulmonary.exblog.jp/29074122/)
MACEに関する事後報告がAJRCCMに掲載されました。
- 概要
■COPDは、心血管系のイベントリスク上昇と関連している。52週間の第III相ETHOS試験において、ブデソニド/グリコピロニウム/ホルモテロール(BGF)のトリプル吸入療法は、グリコピロニウム/ホルモテロール(GFF)またはブデソニド/ホルモテロール(BFF)のデュアル吸入療法と比較して、中等度/重度の増悪率および全死亡率を減少させた。しかし、心血管イベントに対するBGFの効果は、GFFに対して未評価のままである。さらに、最初の重症増悪までの時間に対するBGFの効果は報告されていない。
■ETHOS試験に登録されたCOPD患者を対象に、BGF 320/18/9.6μg(BGF320)および他のICS含有群について、心血管および重症心肺エンドポイントに対する効果をGFFと比較評価した。
■中等度以上のCOPDの増悪歴のある患者を、1日2回投与のBGF 320、BGF 160/18/9.6μg、BFF 320/9.6μg、GFF 18/9.6μg(GFF)にランダムに割り付けた。
■最初のMACE(Major Adverse Cardiac Event)までの時間、最初のCVAESI(Cardiovascular Adverse Event of Special Interest)までの時間、最初の心臓関連有害事象までの時間、最初の重度心肺イベントの複合エンドポイントまでの時間をアウトカムとした。
■BGF320は、GEFよりも以下の通り有意にイベントリスクを低下させた。
CVAESI:ハザード比: 0.63 95%信頼区間: [0.48, 0.82]
心臓関連有害事象:ハザード比: 0.60 95%信頼区間: [0.48, 0.76]
重度心肺イベント: ハザード比: 0.80 95%信頼区間: [0.67, 0.95]
心臓関連有害事象:ハザード比: 0.60 95%信頼区間: [0.48, 0.76]
重度心肺イベント: ハザード比: 0.80 95%信頼区間: [0.67, 0.95]
■中等症から超重症のCOPD患者において、BGFはGFFに対して心血管エンドポイントおよび重症心肺イベントに対して有益であった。
by otowelt
| 2024-09-21 00:58
| 気管支喘息・COPD