クライオバイオプシー(TBLC)診断のメタアナリシス

クライオバイオプシー(TBLC)診断のメタアナリシス_e0156318_10264615.png

最近では、TBLCに特化したNashville出血スコアが開発されています。冷生理食塩水の使用や気管支内バルーンの使用は、BTSでは「中等度」出血ですが、Nashvilleスコアではグレード2または3に分類されます。


  • 概要
■経気管支肺クライオバイオプシー (TBLC) は、分類不能間質性肺疾患 (ILD) または信頼性の低いと診断された ILD の組織病理学的評価のための外科的肺生検の代替手段とされている。このメタアナリシスでは、手順とサンプリング手法に焦点を当て、凍結生検の診断性能と安全性に関する最新の文献を統合した。

■研究には分類不能な IL​​D の成人が含まれ、TBLC の診断性能、合併症、および方法論的手法が報告されている。診断性能、気胸、出血についてメタアナリシスが行われた。サブグループ分析とメタアナリシスにより、方法論的変数が評価された。

■6183 人の参加者を含む 70 件の研究が含まれた。TBLC の診断率は 81% (95%信頼区間79-83%、I2=97%) で、全身麻酔 (p=0.007)、凍結生検前の ILD 多職種会議 (p=0.02)、2.4 mm 凍結プローブ (p=0.04)、平均努力肺活量の上昇 (p=0.046)、、平均DLCOの上昇 (p=0.023) は、より高い診断率の有意な因子だった。

■気胸率は 5% (95%信頼区間4-5%、I2=91%) で、2.4 mm 凍結プローブ (p<0.00001)、術後ルーチン画像診断 (p<0.00001)、複数葉サンプリング (p<0.0001)、DLCO低下 (p=0.028)、全身麻酔 (p=0.05) は、有意な気胸の予測因子だった。中等度から重度の出血率は 12% (95%信頼区間11-14%、I2=95%) で、2.4 mm 凍結プローブ (p=0.001) および出血スコア選択 (p=0.04) が有意な因子だった。

■limitation:多くの研究が低質で、バイアスのリスクが高い。非ランダム化、非連続的なデータに依存している。診断率や出血の重症度の定義が研究間で一貫していない。





by otowelt | 2024-09-13 00:49 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31