非結核性抗酸菌の液体培地、4週間でよい?
2024年 11月 22日
非常に多くの検体を用いた貴重なデータ化と思います。
- 概要
■抗酸菌液体培養は通常、主にMycobacterium tuberculosis(結核菌)の増殖速度が遅いことから6週間以上を要する。
■本研究は、NTMの罹患率が高い医療現場における抗酸菌の液体培養期間の短縮可能性を評価することを目的とした
■2020年7月から3.5年間、日本の大学病院において、Mycobacteria Growth Indicator Tube システムを用いた喀痰検体の液体培養における抗酸菌種と陽性化までの時間の関係を後ろ向きに分析した。
■15,147件の喀痰培養検体を分析した。結核菌群の陽性率は1.1%であり、M. avium complex(MAC)の陽性率は17.6%、M. abscessus陽性率は2.1%だった。陽性化までの中央値は、結核菌群で17日、MACで9日、M. abscessusで4日であった。4週間の培養期間と8週間の培養期間を比較すると、MACの陽性率97.0%、M. abscessusの陽性率99.4%であり、差はみられなかった。
■NTMの罹患率が高い環境では、結核が強く疑われる検体、極めて増殖の遅い抗酸菌、塗抹陽性、核酸増幅検査陽性の検体を除き、基本的なMGITの培養期間を4週間に短縮しても検出感度を大きく損なうことはない。
by otowelt
| 2024-11-22 00:11
| 抗酸菌感染症