気腫肺の肺エコーは偽陽性が多い
2024年 12月 30日
Bモードで lung sliding、B-line が確認できず、Mモードで seashore sign が確認できず、全体がバーコード様(stratosphere sign [barcode sign])に見えれば、気胸の可能性が高くなります。
COPDにおける肺エコーはダマシが多くなるという事実は、国際学会でもよく報告されているので、呼吸器内科医は要チェックですね。
■ベッドサイド超音波検査(POCUS)は急性疾患における胸膜の評価に広く使用されているが、気腫を有する患者における異常所見の有病率は不明である。本研究の目的は、進行性気腫肺におけるPOCUS所見を特徴付け、肺実質および肺機能検査の変化と異常POCUS所見との相関を調べることであった。
■過膨張があるCOPD患者から得られたPOCUS画像を後ろ向きに評価した。画像は第2肋間(上葉)と横隔膜付着部上方(下葉)で観察した。lung slidingは「あり」または「なし」で評価し、Mモード画像は「seashore」、「barcode」、「hybrid」パターンとして評価した。患者はこれらの所見の組み合わせに基づいて4グループに分類した。肺機能検査と高分解能CTの差異はχ二乗検定またはANOVA検定で評価し、関連性はSpearmanの相関で評価した。3人の評価者(2人の呼吸器科医と1人の放射線科医)間の一致度はκ統計を用いて評価した。
■本研究には48人の患者・159の肺葉が含まれた。肺葉の相当数がbarcode陽性(13.8%)またはlung sliding不確定/なし(20.3%)を示した。87の肺葉(54.7%)がMモード所見の典型的な定義のいずれにも当てはまらないことが確認された。異常な超音波パターンと気流制限または気腫の割合との間に強い関連性はみられなかった。Bモード(0.20-0.611)とMモード(0.24-0.049)の3人の評価者間で広い評価者間変動が見られた。
■過膨張の患者ではPOCUSでlung slidingが確認されにくく、barcodeパターンの偽陽性率が高くなる。
by otowelt
| 2024-12-30 00:48
| 救急