IPDメタアナリシス:慢性肺アスペルギルス症の死亡
2024年 12月 05日
慢性肺アスペルギルス症(CPA)の死亡のシステマティックレビューとIPDメタアナリシス。総死亡率は27%、1年死亡率15%、5年死亡率32%という結果。結核後CPAの予後は良好でしたが、悪性腫瘍合併CPAは不良でした。
■参考記事:慢性肺アスペルギルス症27,888例解析
- 概要
■この研究は、慢性肺アスペルギルス症(CPA)の死亡率とその予測因子を評価するためのシステマティックレビューとメタアナリシスである。
■MEDLINE、Scopus、Embase、Web of Scienceのデータベースを用いて、データベース開始時から2023年8月15日までの英語で発表されたCPAの死亡率に関する研究を系統的に検索した。臨床研究、観察研究、対照試験、抄録を対象とし、症例報告、動物実験、Letter、レビューは除外した。2016年以降に発表された研究の著者には、匿名化された個別患者データ(IPD)の提供を依頼した。
■全体で79の研究(8778患者)がシステマティックレビューに、15の研究(1859患者)がIPDメタアナリシスに含まれた。70の研究から算出された総死亡率は27%(95%信頼区間22-32%)、1年死亡率は15%(11-19%)、5年死亡率は32%(25-39%)であった。
■40歳未満の患者の死亡率は1%(0-6%)と極めて低く、40-60歳で23%(14-32%)、60歳以上で38%(28-49%)と年齢とともに上昇した。
■IPDコホートにおいて、基礎疾患の分布は地域によって大きく異なっていた。肺結核後遺症はパキスタン(76.0%)とブラジル(76.9%)で高率であった一方、非結核性抗酸菌症は日本(63.0%)で多く認められた。基礎疾患ごとの総死亡率を見ると、悪性腫瘍を有する患者で47%(95%信頼区間33-61%)と最も高く、次いで間質性肺疾患44%(27-61%)、自己免疫疾患38%(18-59%)、COPD 35%(22-49%)、非結核性抗酸菌症33%(20-47%)の順であった。気胸の既往がある患者は28%(7-53%)、肺結核後遺症は25%(16-35%)、気管支拡張症は21%(10-35%)であった。
■肺結核後遺症を有する患者の1年死亡率は7%(3-13%)と最も低く、一方で間質性肺疾患では18%(4-36%)、悪性腫瘍では17%(6-30%)、COPDでは16%(9-24%)、非結核性抗酸菌症では11%(5-19%)であった。
■イトラコナゾール単独治療群の死亡率は24%(15-34%)であったのに対し、ボリコナゾール単独治療群では38%(25-51%)と高値であった。これは重症例にボリコナゾールが選択される傾向を反映している可能性がある。外科的切除を受けた患者の術後死亡率は2%(0-3%)と低値であった。
■多変量解析では、基礎疾患の中で肺結核の既往は最も低い死亡ハザードを示し、一方で基礎疾患として悪性腫瘍を有する場合は予後不良であった。また、亜急性侵襲性肺アスペルギルス症と慢性空洞性肺アスペルギルス症は、単純性アスペルギローマと比較して有意に高い死亡率と関連していた。
■年齢が10歳上昇するごとに死亡ハザードが25%増加することが示された(調整ハザード比1.25、95%信頼区間1.14-1.36、p<0.0001)。 これらの結果から、CPAは特に診断後1年目の死亡率が高く、その後徐々に低下することが明らかになった。また、年齢、CPAタイプ、基礎疾患が重要な予後予測因子であることが示された。
by otowelt
| 2024-12-05 01:47
| 感染症全般










