重症喘息におけるABPAの有病率


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ISHAMのABPAスクリーニングの推奨を裏付ける論文の1つです。




  • 概要
■ABPAは、軽症喘息よりも重症喘息で多く発生すると考えられている。しかし、この仮説を裏付ける正確なデータはない。

■さまざまな喘息重症度の被験者におけるABPAの有病率を判定する。

■2004年のGINAガイドラインに従って分類された543人の成人喘息被験者から前向きに収集されたデータの二次分析を実施した。喘息重症度は、軽症、中等症、重症に分類された。各喘息カテゴリにおける ABPA の有病率を報告した。また、多変量ロジスティック回帰分析を実施して、喘息被験者における ABPAに関連する因子を特定した。

■被験者は、軽症81 人 (15%)、中等症257 人 (47%)、重症205 人 (38%)に分類された。106人(19.5%) の被験者がABPA と診断された。ABPAの有病率は、軽症喘息では 11.1% (81人中 9人)、中等症喘息では 21% (257人中 54人)、重症喘息では 20.7% (205人中 43人) でした (P =0.12)。多変量解析により、年齢と喘息持続期間が ABPA に関連する重要な要因であることが判明したが、喘息の重症度は有意に関連していなかった。

■ABPA の有病率は喘息の重症度によって大きく変化しません。しかしながら、これらの結果は、喘息の重症度に関係なく、すべての喘息患者に対してABPAスクリーニングするというISHAM ABPAワーキンググループの推奨事項を裏付けている。





by otowelt | 2025-01-05 02:40 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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