気管支鏡におけるスプレーカテーテル法局所麻酔
2024年 12月 17日
割り付けの前に入念な準備がなされており、熱意を感じます。スプレーカテーテル麻酔によって、リドカイン使用量と客観的な咳嗽検出数が減ったというものです。
- 概要
■本研究は気管支鏡検査における患者の不快感と咳嗽を軽減するための準ランダム化単盲検試験として実施された。特にスプレーカテーテルによる局所麻酔と持続的口腔内吸引の有効性について評価を行った。
■研究デザインは、ランダム化ではなく、検査タイプ(EBUS-TBNAとBAL)に基づく系統的な割付が行われ、120名の患者が4群に分けられた。研究に先立ち、詳細な予備実験が実施された。気管モデルを用いたリドカインのスプレー到達範囲の評価では、0.5mLの単回投与で気管の約3分の1の範囲(約4cm)をカバーできることが確認された。また、体動センサー「MONI LIFE wellness」を用いた咳嗽の定量化手法が確立され、信頼性が検証された。咳嗽は心拍波形とは異なる周期にピークを持つ大振幅波形として定義され、3名の研究者による独立した波形カウントの一致度と、従来の目視カウント法との強い相関が確認された
■患者は4群(A群:従来型シリンジ麻酔のみ、B群:スプレーカテーテル麻酔のみ、C群:従来型シリンジ麻酔+持続的口腔内吸引、D群:スプレーカテーテル麻酔+持続的口腔内吸引)に割り付けられた。対象疾患は肺腫瘍41.7%、間質性肺疾患30.8%、感染性疾患11.7%であった。統計解析はKruskal-Wallis検定による4群間の比較後、Mann-Whitney U検定による2群間比較が実施された。
■リドカイン使用量については、4群間で有意差が認められ(p=0.004)、特にスプレーカテーテル使用群で有意な減少が確認された(320mg vs 260mg、p=0.0004)。咳嗽回数も同様に4群間で有意差があり(p=0.006)、特にC群とD群の比較でD群での著明な減少(221回 vs 166回、p=0.005)が示された。スプレーカテーテル使用の有無による2群比較でも、使用群で有意な減少(192回 vs 146.2回、p=0.03)が確認された。一方、VASによる主観的な不快感の評価では、呼吸困難、疼痛、咳嗽、唾液に関して4群間で有意な差は認められなかった。
■全体の57.5%の患者が検査内容を記憶していなかったが、記憶のある患者群では全ての不快感スコアが有意に高値を示した(p<0.001-0.005)。これは患者の主観的体験が意識レベルに強く依存することを示唆している。 唾液による不快感(VASスコア≧4)については、全体の10%(12名)の患者が強い不快感を報告し、これらの患者では検査時間が有意に長かった(51.5分 vs 37分、p=0.02)。アトロピンの使用や患者背景因子との関連は認められなかった。
■limitation
・体動センサーによる咳嗽の検出が検査台の動きの影響を受ける可能性
・唾液吸引器の位置の個人差
・ペンタゾシンを併用していた点
by otowelt
| 2024-12-17 00:08
| 気管支鏡










