閉塞性睡眠時無呼吸と認知症リスク
2025年 01月 11日
循環器疾患のリスクも高くなることから、脳血管性認知症に対する親和性は高そうです。
- 概要
■閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) は認知機能低下の潜在的なリスク要因として認識されているが、認知症との正確な関係は不明である。この研究は、OSAS 患者と非患者の認知症リスクを判定することを目的とした。
■イギリスの全国的なプライマリケア電子健康記録データベースである Clinical Practice Research Datalink (2000-2022) から、成人 230 万人 (18 歳以上) のデータを抽出した。OSAS 患者 193,600 人を OSAS 非患者の 536,701 人と傾向スコアでマッチングした。Cox 比例ハザード回帰モデルを適用して、OSAS 患者と非患者の間で全原因認知症、血管性認知症、アルツハイマー病を発症するリスクを定量化した。
■中央値 4.0 (IQR 1.8-7.5) 年の追跡調査で、OSASあり2,802 人と OSASなし6,211 人が全原因認知症を発症し、粗罹患率はそれぞれ 1,000 人年あたり 2.47 人と 2.34 人に相当した。OSAS の存在は、全原因認知症 (調整ハザード比 (aHR) 1.12、95% 信頼区間 1.07 ~ 1.17)、血管性認知症 (1.29、95% 信頼区間 1.19 ~ 1.41) のリスク上昇と関連しており、Alzheimer病のリスクは変化していなかった (1.07、95% 信頼区間 0.99 ~ 1.16)。CPAP治療を受けたOSAS患者は、対照群と同程度の全原因認知症リスクを示した(0.99、95% CI 0.74~1.32)。
■OSASは、全原因認知症およびその一部のサブタイプのリスクが高いことと関連している。OSAS患者の認知機能障害のスクリーニングの臨床的利点を調査し、CPAPが認知機能低下および認知症リスクに与える影響をさらに評価するには、さらなる調査が必要である。
by otowelt
| 2025-01-11 00:54
| 呼吸器その他