気管支鏡検査における予防的抗菌薬
2025年 01月 31日
気管支鏡時の予防的抗菌薬の有効性を報告したものです。リスクが高そうな人には予防的抗菌薬が推奨されるデータとなっています。
アミノペニシリンとキノロンの割合が気になりますね(50ドルに躊躇して全文は読んでいない)。
■ガイドラインでは一般的な診断用気管支鏡検査におけるルーチンの抗菌薬予防については省略可能としているが、単施設で実施された比較的小規模なサンプルサイズの研究に基づいている。最近の技術的・手技進歩がこれらのガイドラインに適用できるかどうかは不明である。
■現状において、診断用気管支鏡検査における経口予防抗菌薬投与が非感染性疾患の気管支鏡検査後感染症を減らすかどうかを評価した。
■DPCデータベースを使用して、2020 年 4 月から 2022 年 3 月の間に経口予防抗菌薬の有無にかかわらず診断用気管支鏡検査を受けた患者を同定した。傾向スコアによる逆確率重み付け(IPW)によって群間の感染症罹患を比較した。患者プロファイルと抗菌薬の種類に基づいて層別分析も実施した。
■合計68,660 人の対象患者が予防群(N=10,426)と非予防群(N=58,234)に分けられた。気管支鏡検査後の感染症は 612 人の患者(0.89%)に認められた。IPWでは、予防群が気管支鏡検査後の感染症の減少と有意に関連していることが示された(オッズ比 0.60、95% 信頼区間 0.45 ~ 0.80)。操作変数分析でも同様の結果が示された(オッズ比 0.50、95% 信頼区間 0.34 ~ 0.74)。70 歳以上の患者、悪性腫瘍の検査で気管支鏡検査を受けた患者、生検または気管支肺胞洗浄を受けた患者、予防のためにアミノペニシリンまたはフルオロキノロンを投与された患者において、気管支鏡検査後の感染の減少と関連していた。
■非感染性症例における気管支鏡検査後の感染減少において予防的抗菌薬が潜在的な役割を果たすことを示唆している。
by otowelt
| 2025-01-31 00:28
| 気管支鏡