低ナトリウム血症とCOPDの死亡
2025年 02月 11日
呼吸器疾患の急性期では割と血清ナトリウムが低い患者さんが多いです。SIADHが存在することが多いですが、発熱だけでもナトリウムが低下しやすいとされているので、「肺炎だから」という理由だけでもないそうです。
■低ナトリウム血症は、さまざまな疾患の罹患率および死亡率と関連していることが示唆されている。COPD患者における安定状態の低ナトリウム血症と予後との関連に関するエビデンスは不足している。
■2015 年に地域の病院で追跡調査されたすべての COPD 患者を対象とし、その後 8 年間の臨床アウトカムをレビューしました。安定期の低ナトリウム血症と死亡率との関連を評価した。安定期の低ナトリウム血症は、ベースラインの血清ナトリウム濃度が、最後のAECOPD から少なくとも 90 日経過して 135 mmol/L 未満になったものと定義された。
■対象となった COPD 患者は 271 名だった。低ナトリウム血症は、調整ハザード比 (aHR) 1.74 (95%信頼区間1.07-2.65、p = 0.026) で、全生存期間の短縮と関連していた。低ナトリウム血症群の患者における全生存期間の中央値は 3.05 年 (95%信頼区間2.65-3.46) であったのに対し、低ナトリウム血症のない患者では 3.35 年 (95%信頼区間2.86-3.83) であった。ベースラインの最高血清ナトリウム値は、追跡期間中の COPD のAECOPDおよび入院を要するAECOPD年間頻度と有意に負の相関関係にあり、ピアソン相関係数はそれぞれ -0.16 (p = 0.011) および - 0.14 (p = 0.027) であった。
■安定期の低ナトリウム血症は、COPD 患者の死亡率の上昇、およびAECOPD頻度の上昇と関連していた。
by otowelt
| 2025-02-11 00:53
| 気管支喘息・COPD