PRISmがILAに与える影響
2025年 03月 17日
PRISmは本当に流行りの概念ですね。すぐに議論されなくなると思いきや、世界中の研究者たちが食いついています。
■参考記事:
・呼吸器内科医が知っておきたい概念:PRISm(URL:https://pulmonary.exblog.jp/28617093/)
・臨床医が知るべき新病態概念「プリズム」COPDの前段階、介入は必要なのか?(URL:https://medical-tribune.co.jp/theme/doctors-eye/articles/?blogid=11&entryid=542925)
・OCEAN研究:日本人におけるPRISmの有病率(URL:https://pulmonary.exblog.jp/29681607/)
・PRISmと拘束性換気障害の臨床的意義(URL:https://pulmonary.exblog.jp/32747391/)
・気管支拡張症におけるPRISm(URL:https://pulmonary.exblog.jp/33444401/)
・メタアナリシス:PRISmの有病率は12%(URL:https://pulmonary.exblog.jp/33450115/)
- 概要
■PRISm は不均一であり、中には拘束性肺疾患が含まれる。ILA、ILDの初期段階である可能性がある。PRISm と ILA の関係は十分に理解されていない。
■正常なスパイロメトリーと比較した PRISm における ILA の有病率はどの程度か、PRISm における ILA のリスク要因は何か、ILA は PRISm と死亡率の関連性をどのように変えるか、について調べた。
■ベースラインのスパイロメトリーと胸部CTスキャンを受けた COPDGene 参加者のうち、正常なスパイロメトリー (FEV1 が予測値の 80% 以上、1秒率が 0.7 以上) と PRISm (FEV1 が予測値の 80% 未満、1秒率が 0.7 以上) の参加者を、Fleischner Society ガイドラインに従って ILA の有無で調べた。PRISm における ILA のオッズを調べるためにロジスティック回帰を使用した。全死亡率を Cox 回帰でモデル化した。ベースラインの ILA 状態とフォローアップ時のスパイロメトリーの変化との関連性を評価した。
■正常スパイロメトリーの参加者 4,494 名と PRISm の参加者 1,262 名を対象とした。PRISm の参加者 93 名 (7%) と正常スパイロメトリーの参加者 180 名 (4%) に ILA が観察された。正常スパイロメトリーと比較して、PRISm は ILA のオッズ比の増加 (1.74、95%信頼区間1.33-2.27、p < 0.001) と関連していた。PRISm の登録者では、高齢、喫煙曝露増加、肺機能低下、気道壁厚増加が ILA と関連していた。ILA は死亡率増加と関連していた (調整 HR 2.58、95%信頼区間1.49-4.45)。
■PRISm では、ILA は全死亡率の上昇、加齢、喫煙曝露、肺機能低下、気道壁厚増加と関連している。
by otowelt
| 2025-03-17 00:54
| びまん性肺疾患