IPFに対するピルフェニドンは肺癌リスクを低下
2025年 03月 02日
臨床コホートではドラスティックな結果ではありませんでしたが、抗線維化薬によって悪性疾患のリスクを低下させる現象は何度か話題になりますね。
- 概要
■特発性肺線維症 (IPF) は肺癌のリスクが高いが、ピルフェニドンが肺癌の発症に及ぼす影響は不明である。
■IPF 患者におけるピルフェニドンの使用と肺がんの発症との関連性を調査した。
■韓国の全国請求データベースから 9938 人の IPF 患者を組み入れた。逆確率重み付け (IPTW) による傾向スコア分析とランドマーク分析を使用して、ピルフェニドンの使用による肺がんの発生を評価した。関連性は、臨床変数と社会経済的変数を調整した Cox 回帰モデルを使用して評価した。
■単施設の IPF 臨床コホート (n=941) を使用して、調査結果を検証した。 患者の平均年齢は 69.4 歳で、73.7% が男性、32.1% がピルフェニドンを投与された。肺癌は、中央値3.0年の追跡期間中にIPF患者766名(7.7%、1000人年あたり21.9件)に発症した。IPTW後、ピルフェニドン群は非ピルフェニドン群よりも発症率が低かった(1000人年あたり10.4件 vs 27.9件)。IPF診断後6か月のランドマーク解析でも、ピルフェニドン群の肺がん発症率は非ピルフェニドン群よりも低かった。ピルフェニドンの使用は、肺癌リスクの低下と独立して関連していた(加重調整ハザード比0.347、95% CI 0.258-0.466)。臨床コホートでも同様の関連が示された(加重調整HR 0.716、95% CI 0.517-0.991)。この関連性は、年齢や性別で定義されたサブグループ全体で観察された。
■ピルフェニドンの使用は、IPF 患者の肺癌リスク低減と関連している可能性がある。
by otowelt
| 2025-03-02 00:34
| びまん性肺疾患