本の紹介:誤嚥性肺炎 70の疑問に答えます
2025年 03月 28日

単行本 : 252ページ
価格 : 3,800円 (税別)
出版社 : 金芳堂
編集:吉松由貴先生, 山入和志先生
前版の「50の疑問」から+40%増の「70の疑問」として返ってきました。
医学書出版業界では、売れた本は第2版が出るというのが定石です。第2刷というのは、基本的に初版とおなじ内容が増刷されていくものを指しますが(誤字などの修正は可能)、第2版というのは基本的には別の本として扱われます。この誤嚥性肺炎の本、当初から第2版が出るだろうな、と思っていました。本当にすごい熱量。今回も「倉原優先生推薦!」と帯に載せてもらっています。吉松先生と山入先生の情熱が凄まじいのであって、私は本当に何もしていません。
この本を読んでもらいたい理由は、教科書的な対応から、さらに1層上のレイヤーでケアができるからです。これに尽きます。誤嚥性肺炎の診断や治療だけでなく、患者さんの退院後の生活やその人らしい生き方を見つめる場面は多くあります。本書は、具体的な訓練方法から、日常診療での細かな工夫が詳述されていることが特徴です。食事場面の観察ポイントをまとめた表や、誤嚥性肺炎の原因チェックリストなど、明日からすぐに活用できるツールもちりばめられています。
患者さんにとっての最善は、いつもガイドラインの中にあるとは限りません。そんな視点で診療を進めたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
by otowelt
| 2025-03-28 00:01
| 内科一般