アレルギー性気管支肺真菌症に対する気管支鏡の役割
2025年 05月 01日
・喀痰・気管支洗浄液で糸状菌培養陽性
■気管支鏡手技はすべての症例において粘液栓の吸引除去を基本とし、吸引で困難な場合には鉗子、ブラシ、生理食塩水による洗浄、さらにクライオプローブによる凍結採取などが用いられた。クライオプローブは粘性やサイズの大きい栓を効率的に採取するために有効とされた。
■診断基準への該当数は、気管支鏡前には10例中5例であったが、気管支鏡所見を加味するとすべての症例が基準を満たすことが確認された。粘液栓の中から真菌が培養されたのは4例、細胞診で真菌が同定されたのは6例であった。またCharcot–Leyden結晶は全例で認められた。診断基準の該当項目数は、気管支鏡前中央値5.5に対し、検査後は6.5に増加し、統計的に有意差が認められた(p=0.006)。
■治療的効果としては、気管支鏡による粘液栓除去後に臨床的改善がみられた症例が4例あり、そのうち2例では除去のみでステロイドや抗真菌薬を用いずに改善が得られた。特に1例では、好酸球数が2000/μLから130/μLに著明に低下し、画像所見も著明な改善を示した。しかしながら、粘液栓からの真菌培養は成功率が低く、死菌の存在や検体処理の遅延、培養条件の不適合、常在菌による競合などが原因と考えられた。これを補完するために、Grocott染色などの細胞診的評価が重要であり、今後は分子診断法(PCR等)との併用が望まれると考察された。また、ABPMは肺癌と類似の臨床像を示すことがあり、CEA高値や無気肺像を呈することで鑑別を要する。今回の症例でも8例中6例でCEA測定がなされ、うち4例が基準値を超えていた。
■結論として、Asano基準を用いたABPMの診断には粘液栓の気管支鏡的評価が重要である。画像上で粘液栓が認められる場合には、診断確定とともに治療的介入としても、気管支鏡による除去を行うべきである。
■本研究には後ろ向き単施設研究であり、症例数が少ないという限界がある。今後は多施設での前向き研究によって外的妥当性の向上が望まれる。










