iPPFEにおける栄養療法
2025年 05月 18日
肺NTM症など、ほかの慢性呼吸器疾患においても非常に重要なポイントと思います。先日セミナーに参加いただいた先生から、この点を指摘いただき身につまされる思いです。
- 概要
■間質性肺疾患(ILD)患者において、BMIの低下と体重減少は、疾患の進行および予後不良と関連している。特に、典型的には痩せている特発性iPPFE患者においては、迅速な栄養サポートが不可欠となる可能性がある。
■当院でPPFEと診断された93名の患者を連続的にスクリーニングし、最終解析には特発性PPFE患者63名を含めた。患者は、診断後6か月以内に管理栄養士による栄養指導を受けたかどうかに基づき、早期介入群と非早期介入群の2群に分類された。Cox回帰分析を用いて死亡リスク因子を評価し、回帰直線を用いた散布図を用いて体重の経時的推移を評価した。
■63名の患者のうち、22名が早期介入を受け、41名が受けなかった。本研究では、初期段階の患者(本研究ではFVC 70%以上かつ過去1年間に有意な体重減少がない患者と定義)への早期介入は、早期介入を行わなかった患者と比較して、体重減少率が有意に低下したことと関連していた。しかし、診断時のFVCまたは体重減少状況に関わらず、両群間の生存率には有意差は認められなかった。
■当院では、管理栄養士が実施した体系的な栄養教育プログラムを概説した。介入によって生存率は改善しなかったものの、初期段階の患者に対する早期の栄養教育は体重減少率を低下させ、予後改善に寄与する可能性がある。早期の栄養サポートによる体重維持は、iPPFEの管理において重要な治療戦略となる可能性がある。
by otowelt
| 2025-05-18 00:11
| びまん性肺疾患










